valentine×kiss×2
「明日でバイトも終わりだね。何だかあっという間だったなぁ」
「そうだね。オレはさえちゃんに会えなくなるのが寂しいよ」
「またまた。そんな事言ってくれちゃってぇ」
最初は、いつものそんな軽いやり取りをしてたけど。
「今日はね、先日の返事がしたくて」
やっと切り出せた。
「うん」
私は誠実にちゃんと返事しなくちゃ。
「私ね、このバイトで楽しかったよ。釜石さんはちょっとだけど。それ以外のメンバーはみんな仲良しで、居心地が良かった」
「うん」
「熊ちゃんと仲良くなれて楽しかった」
「うん」
「一人っ子の自分に、本当にかわいい弟が出来たみたいで嬉しかった」
「…………」
「でね…」
「もういいよ。オレの事、弟にしか見れないんだろ?」
目の前にいる熊ちゃんは、何とも言えない表情で苦笑いしてた。
「ごめんなさい」