valentine×kiss×2
「分かってたんだ。さえちゃんの気持ち。それに最初に弟に立候補したのは自分だしね」
"彼氏に立候補しとけばよかったなぁ"
最後のかすれた声で聞こえた小さなつぶやきが、私の耳に、そして胸に届いた。
「ごめんなさい。本当に今日までありがとう」
私はちゃんと熊ちゃんの目を見て、答えられたかな。
私の視界も少し歪んでいた。
「ねぇ。最後のお願い聞いてくれる?」
"最後"のフレーズに胸が痛かったけど、
「うん。何?」
「明日さ、オレにチョコちょうだい。
本当は"義理チョコ"なんだろうけど、"義理"て言葉じゃ悲しいから "友チョコ"で」
「うん。分かった。全然いいよ。友チョコね。了解!」
私はうまく笑えたかな。熊ちゃん、私のこと"好き"て言ってくれて本当にありがとう。
そしてごめんね。