valentine×kiss×2
私のチョコは限定いっこ
何だか恥ずかしいやり取りを他人様に見せていた事実に気付いた私たちは、お互い顔を真っ赤にさせながら、慌ててお店を後にした。
「もう少し、外を歩こうか」
「うん。私もまだ一緒にいたい」
ファーストフード店から少し歩いた所に、小さな公園があって、一つベンチがあったから、私たちはそこに座った。
ちょっと寒いけど、それよりも幸せで。
今ここに2人でいるなんて夢みたいで。
キラキラ光る星を2人で見上げながら、私はそんな事を考えていた。
「ねぇ。沙江美て呼んでいい?」
愛しい彼は。
「さえちゃんだとアイツと同じでイヤだ」
意外とヤキモチ妬きで。
「オレも名前で呼んで?」
意外と甘えたで。
「歩(アユム)」
私がそう呼ぶと。
「くすぐったいな」
とっても。
かわいい彼だった。