valentine×kiss×2
「まず、包装紙を裏返しにし、こう商品を斜めに置くんだ」
「そっ、そんな感じ。で、次は手前から折って…。そうそう、うまいよ」
「あ!そこはこうするんだ」
「つっ…」
彼に手を添えられて。
「こういうふうにするとうまくいくんだ」
ドキン。ドキン。
釜石さんの手が。手が。
どうしよう。私、顔が真っ赤だ。
「北田さん、どうかした? 分からなかったかな? 難しかった?」
首を傾げて、こちらを見る彼もかっこいい。
「い、いえ。ちょっと緊張しちゃって」
"ふっ…"
えっ? 今、釜石さん笑った?
「北田さんはかわいいなぁ。大丈夫だよ。ゆっくり覚えようね」
やっぱり彼は大人だった。