valentine×kiss×2
「じゃあさ、北田さんじゃお姉ちゃんぽくないから、名前で呼んでもいい?」
「え? 名前?
まっ、確かに名字じゃ、姉弟ぽくないか。うん。じゃ!いいよ」
「ラッキー。じゃ!"さえちゃん"て呼ぶね。オレの事も何か呼んで?」
甘えるように見上げられちゃあなぁ。
「う~ん。決まった!! "熊ちゃん"にするよ。よろしく!熊ちゃん」
「おう」
何だかここ数日で、お兄ちゃんと、クラスメイトと弟がいっぺんに増えた気分だよ。
私は幸せそうな顔してたと思う。
うん。実際、みんなと知り合いになれた事は、居心地よくて、楽しくて、嬉しかったんだ。
でも、そんなのん気な事を考えていたのは私だけだったんだね。