Ⅹ(クロス)
Ⅶ. 神に遣わされし者
白い・・・。
何もかも・・・。
その日、ラドニアの空は真っ白い雲に覆われていた。
いつもなら眩しい陽の光りに輝いている王宮が、今はただ白い光りの中に静止しているように思える。
広い庭の向こうには、顕花をする人の行列がすでに出来ている。
(これは・・・現実なの?)
リディアは、昨日からの色々な出来事がまだ受け止められないでいた。
変わり果てたジプサム、自分の過去、そして父の死・・・。
若干16歳の少女が受け止めるには、それらは余りにも大きく、過酷だった。
そして、先ほど告げられた国王暗殺の隠蔽。
父親の死を悼むことをも禁じられ、父の為に泣くことさえ許されない。
その事実は、リディアの心の中に抑えることの出来ない感情を湧き上がらせる。
何もかも・・・。
その日、ラドニアの空は真っ白い雲に覆われていた。
いつもなら眩しい陽の光りに輝いている王宮が、今はただ白い光りの中に静止しているように思える。
広い庭の向こうには、顕花をする人の行列がすでに出来ている。
(これは・・・現実なの?)
リディアは、昨日からの色々な出来事がまだ受け止められないでいた。
変わり果てたジプサム、自分の過去、そして父の死・・・。
若干16歳の少女が受け止めるには、それらは余りにも大きく、過酷だった。
そして、先ほど告げられた国王暗殺の隠蔽。
父親の死を悼むことをも禁じられ、父の為に泣くことさえ許されない。
その事実は、リディアの心の中に抑えることの出来ない感情を湧き上がらせる。