Ⅹ(クロス)
葬儀の会場となる、ノースコロニアル教会には、ラドニア国王の実弟フェルナンド公爵の突然の訃報を聞きつけた多くの民衆が詰め掛けていた。
民衆はそれぞれに複雑な思いを懐いて参列していた。
「何故、フェルナンド公爵様が・・・?」
「そりゃあ、反感をかうよ。
あんなやりかたじゃあね。」
「これからは、もうあくせく働かなくていいのかね?」
「だといいけどね・・・。
前の国王様の時代に戻ってくれたらね・・・。」
「けどそれじゃぁ、アタシ達食べていけやしないよ。」
「全くどうなっちまうんだい。いったい・・・」
不安な面持ちの彼らの遙か前方には、大きな祭壇があり、その中央には黒い棺が置かれていた。
棺には、王家の印である鷹と盾の紋章が金色のレリーフとなって埋め込まれている。
その棺の周りには真っ白い百合の花が飾られ、天窓から差し込む光りがそこだけを僅かに照らしていた。
民衆はそれぞれに複雑な思いを懐いて参列していた。
「何故、フェルナンド公爵様が・・・?」
「そりゃあ、反感をかうよ。
あんなやりかたじゃあね。」
「これからは、もうあくせく働かなくていいのかね?」
「だといいけどね・・・。
前の国王様の時代に戻ってくれたらね・・・。」
「けどそれじゃぁ、アタシ達食べていけやしないよ。」
「全くどうなっちまうんだい。いったい・・・」
不安な面持ちの彼らの遙か前方には、大きな祭壇があり、その中央には黒い棺が置かれていた。
棺には、王家の印である鷹と盾の紋章が金色のレリーフとなって埋め込まれている。
その棺の周りには真っ白い百合の花が飾られ、天窓から差し込む光りがそこだけを僅かに照らしていた。