Ⅹ(クロス)
「違うわ!!」

リディアは思わず立ち上がって叫んだ。


「お父様を殺したのは、ナユタじゃない!!

お父様は、戦いなど望まれてはいないわ!!」




会場は、一瞬水を打ったような静けさに包まれた。



慌てて、フェルナンドがリディアの方に近付いていく。

「おお、リディア、可哀想に。
あまりに沢山の事が有り過ぎて、どうかしてしまったのだね・・・。」

そして、民衆の方へ体を向けて言う。


「皆の者、大変申し訳ない。

我が娘、リディアは少し疲れてしまっているようだ。

すぐに退席させ、休ませるように・・・」



フェルナンドはそう言いながら視線をリディアに移すと・・・

息を飲んだ。



「リディア・・・それは・・・なんだ・・・」




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