Ⅹ(クロス)
「流石に情報屋だな。もう入ったのか・・・。

王国のフェルナンド公爵が殺された。

殺ったのは、ナユタだとよ!

しかも、密輸業者・・・なんだと。」


――ガツッ!

言いながらユウリは拳でテーブルを殴る。


「なんだって?!」

それがアグリだっていうのか?

はっ!とんだ言いがかりもいいとこだ!」

プロスは声を荒げる。


「でも親父は戻らなかった!

戻らなかったんだよ!!」


――ガツッ!

もう一度鈍い音がテーブルから響く。


「アグリは…そんなヘマはしねェ。」

ブロスは低く呟いた。



「いずれにせよ…だ、ラドニアがおかしくなってきてるのは確かだ。

こっちものんびりしてられねェって訳だ。」


ジャコスは小型無線機のダイアルを合わせながら、イヤホンに手をあてる。

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