Ⅹ(クロス)
「ありがとうございます。

でも・・・ごめんなさい。私・・・思い出せなくて・・・

あの、私とてもご迷惑をおかけしているのでは・・・」


「迷惑なんてもんじゃねェよ!」


「ユウリくん!!」


「・・・リディアだ。」


「ぇ?」


「お前の、名前。

リディア・ド・ナバール。

あとは・・・ゆっくり思い出すんだな。」



――ガタガタッ!!バンッ!!


突然、カーテンの向こう側にあるドアが勢い良く開き、黒いツンツン頭の少年が顔を出した。

三人は、思わず入り口に視線を向ける。


「カラスくんでしたか・・・」


「この、タコ!!

もうちょっと静かに開けろよ!」


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