Ⅹ(クロス)
「それで・・・だ。

あいつは、ロトスのジプサムの事を吐いたのか。」

フェルナンドは、部屋の片隅に無造作に掛けられている、どす黒いシミの付着した深緑

色のマントに目を遣りながら訊ねた。


「それが、頑として口を割りませぬゆえ、少々手荒な事をせざるを得ませんでした。」

オウガはニタリと笑いながら、上目遣いでフェルナンドを見る。


「例の機械を・・・使ったのか?」


「はい。」


「して、首尾はいかに?」


「ぎりぎりの所までは何とか聞き出せましたが、今一歩の所で、精神に破綻を来たしました。

もう、これ以上は無理かと・・・。」


「その情報を見せろ。」


「これでございます。」

オウガは、目の前の円形の大きなテーブルの上に、何枚かの写真と、スケッチ画のようなもの、そしてロトス島セシリア湖周辺の詳細な地図を広げて見せた。

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