Ⅹ(クロス)
「その・・・、腹の中にいた子供が・・・リディアだっていうのか?!」


「ええ。そうです。」


「何故それが分かる?

それがリディアだって、何故・・・」


「そっくりだからですよ。

リディアさんが・・・、僕の母にね。

流れる気までが、ほんとに・・・似ていた・・・。」


言いながら、ライトは顔を歪めて下を向いた。さらりとした栗色の前髪がその目を隠す。


「ライト・・・、それじゃ、お前・・・」


「ええ。

僕はおそらく、彼女の兄ですよ・・・。」


ライトは僅かに肩を震わせていた。

俯いたその顔は、笑っているようにも、泣いているようにも見える。



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