Ⅹ(クロス)
ユウリは空き地の真ん中辺りで、何かをいじっている。


「あの・・・」


「あれ? 来ちゃったの?!」

ユウリは煙草を銜えながらリディアを見上げる。


「来ちゃったって・・・。

あなたこんな時間に・・・何をしているの?」

リディアは、怪訝な顔でユウリに訊ねる。


「何って・・・、さっきまでヴィバックでライト達と話しててよ、

帰ろうと思って此処、通りかかったらさ、誰かが捨て忘てったクラッカーかなこれ・・・

ほら。目に入っちゃって。

でもちょっと湿気ってたな。コレ。」


ユウリは、派手な色に塗られたその円錐形の物をかざして見せた。。


「お前こそ、何してんだよ。こんな時間に。


・・・あぁぁ。」


「え?」



「鼻、赤くね?」

ユウリはリディアに人差し指を向ける。



「ぃ、ぃやだ!」

リディアは、思わず両手で鼻を隠す。
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