Ⅹ(クロス)

「ありがとう。

でもね、私、分かったの。

逃げてちゃ、駄目だって。

もう、ちゃんと前を向かなきゃいけないって・・・。

逃げてばかりいたら、本当の私を見つけられないから・・・。」


「・・・そっか。」



「ええ・・・。 そう。」

リディアは目線を真っ直ぐ前に向け、また、唇を結ぶ。



「う~ん、そんじゃ、ま、しょーがねェな。」



「?」



「一緒に行ってやるか。」



「・・・え?! 今、なんて?!」

リディアは驚いてユウリの顔を覗きこむ。



「だってお前、場所わかんねェだろが。

右も左も分からないお姫様が行き着けるとこじゃねェって。

シュラムはよ。」

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