Ⅹ(クロス)
「わかってるわ! わかっています。
でもケイン、どうして最近そうやって大人びた物の言い方をするの?
昔は一緒に宮廷で遊んだ仲じゃない。
なのにあなただけさっさと大人になったようなふりをして…
私たち、歳だって二つしか変わらないのよ。
それなのにあなたったら・・・」
リディアは運転席に向かって口を尖らせた。
「それは・・・リディア様をお守りするのが私の務めですから・・・」
ケインは、はにかみながら答える。
「そうね。あなたは立派なナイトだわ。」
リディアは運転席の方に身を乗り出し、ケインの端整な横顔を覗き込みながら言う。
「でもケイン、今日の施設への訪問は、どうしてあんなに反対したの?
施設への訪問は私の公務でもあるのに・・・。」
その質問にケインは表情を堅くする。
近頃 ラドニアの情勢が俄かに悪化してきている。
深刻なエネルギー不足によるロジウムの供給価格の急騰、そして度重なる増税。
それは軍事予算の拡大の為とも噂され、国民の王室に対する不信や不満は募るばかりだった。
もしリディアの身に何かあったら・・・。
しかし、それはリディアに知らせるべきことではない・・・。
でもケイン、どうして最近そうやって大人びた物の言い方をするの?
昔は一緒に宮廷で遊んだ仲じゃない。
なのにあなただけさっさと大人になったようなふりをして…
私たち、歳だって二つしか変わらないのよ。
それなのにあなたったら・・・」
リディアは運転席に向かって口を尖らせた。
「それは・・・リディア様をお守りするのが私の務めですから・・・」
ケインは、はにかみながら答える。
「そうね。あなたは立派なナイトだわ。」
リディアは運転席の方に身を乗り出し、ケインの端整な横顔を覗き込みながら言う。
「でもケイン、今日の施設への訪問は、どうしてあんなに反対したの?
施設への訪問は私の公務でもあるのに・・・。」
その質問にケインは表情を堅くする。
近頃 ラドニアの情勢が俄かに悪化してきている。
深刻なエネルギー不足によるロジウムの供給価格の急騰、そして度重なる増税。
それは軍事予算の拡大の為とも噂され、国民の王室に対する不信や不満は募るばかりだった。
もしリディアの身に何かあったら・・・。
しかし、それはリディアに知らせるべきことではない・・・。