Ⅹ(クロス)
「ユウリくん、出発は明日の夜明け前が良いでしょう。

そうすれば明後日の日暮れまでにはシュラムに入れる。

僕はそれまでに、シュラムまでの詳しい地図と、薬を用意しますから。」


「薬…?ライト先生、私もうお薬は…」

リディアは首を傾げる。


「いえ、万が一の為の薬です。
この先…何が起きるか分かりませんから。」

ライトはちらりとユウリを見る。


「そうだな。お姫様が腹痛にならないとも限らないしな。」


「?」

リディアは怪訝そうに二人を見る。



「で、あの… お…俺は?」

それまで黙っていたカラスがおずおずと口を開く。



「勿論、留守番だ。」



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