Ⅹ(クロス)

「わぁ!! 嬉しい!!

カラスさん、宜しくお願いします!!」

リディアは花のように微笑んでカラスの手を取る。


「り、了解っす!」

カラスは真っ赤になって俯いた。


「何だか危なっかしいねェ。

カラス、事故なんか起こしたら承知しないよ!」

キッチンからカラスの母が腕組みをして睨みつける。


「わ、わかってるって・・・。

俺、絶対リディアさんを守るから。 命に代えて守るからさ!!」


「カラスくん、力み過ぎも気が乱れますよ・・・。」

ライトがすかさず釘を刺した。



「さぁさ、そしたら早速準備だね。

あたしは食料の用意をするから、ユウリとカラスはシュラフとテントの用意をおし。

リディアさんも自分の支度をしなくちゃね。

明日は早いんだ。さっさと支度を済ませるんだよ。

あっと、それから・・・

今日は夜更かしは出来ないよ。」


カラスの母はそう言うと、リディアに向かって軽くウインクをして見せた。


「ぁ・・・。はい。」

リディアはハッと顔を赤らめて、小さく頷いた。
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