Ⅹ(クロス)
AM4:00。

カラスの家の前には、ユウリ、ライト、そしてジャコスの姿もあった。

辺りにはまだ朝の気配は無く、カラスのジープのヘッドライトの灯りだけが暗闇を眩しく照らしていた。

時折、どこかで鳥の甲高い鳴き声が響く。


「ぉし!・・・、だいたい積み終わったかな。」

ジープからカラスが飛び降りる。


「おいユウリ、これも積んで行け。」

ジャコスが黒い帆布で出来た袋をユウリに手渡す。


「ああ。」

ユウリはそれをグッと掴むとジープの荷台に乗せる。


――ドスッ


荷台が鈍い音を立てる。


「ユウリ、ちょっと来い。」

ジャコスが顎を斜めに上げる。








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