Ⅹ(クロス)
Ⅴ. ブロンドの髪の若者
「もうすぐだわ・・・。」
身寄りの無い子供達の施設、St.マーガレット養護施設は、セルシオ海を見下ろす高台に建つ。
国営の病院施設も兼ね備えたそこは、先代の国王が設立し、現在はリディアの父、アルフレッド3世がその一切の運営を行っていた。
リディアは父の手伝いを兼ね、自らの織った布と何冊かの本を持って度々そこを訪れていた。
車は海沿いの通りへと抜ける細い道を走る。
前方に青い海の欠片が見えてきた、その時、
車の目の前に黒いモノがいきなり飛び出して来た。
キキ―――ッ!!
車は急ブレーキを掛ける。
「お、お前、危ないじゃないか!! 何をやっている!!」
ケインは咄嗟に窓を開け、大声で怒鳴る。
車の前には、ボンネットに片手を付きながら息を切らしている一人の若者がいた。
身寄りの無い子供達の施設、St.マーガレット養護施設は、セルシオ海を見下ろす高台に建つ。
国営の病院施設も兼ね備えたそこは、先代の国王が設立し、現在はリディアの父、アルフレッド3世がその一切の運営を行っていた。
リディアは父の手伝いを兼ね、自らの織った布と何冊かの本を持って度々そこを訪れていた。
車は海沿いの通りへと抜ける細い道を走る。
前方に青い海の欠片が見えてきた、その時、
車の目の前に黒いモノがいきなり飛び出して来た。
キキ―――ッ!!
車は急ブレーキを掛ける。
「お、お前、危ないじゃないか!! 何をやっている!!」
ケインは咄嗟に窓を開け、大声で怒鳴る。
車の前には、ボンネットに片手を付きながら息を切らしている一人の若者がいた。