Ⅹ(クロス)
(?! 何だあの音。
ロトスにプロペラ機?
いや、そんなモノある筈がない。
まさか、
ラドニアの・・・!!)
――瞬間
キーンという音とともに、空からキラキラと光る金属の欠片がバラバラと落ちてきた。
それは、カラスの後方500Mほどの所で、大きな爆音と共に閃光を放つ。
(あれは・・・焼夷弾?!)
爆音は、場所を変えながら次々に響く。
瞬く間に、森のあちこちに黒い煙が立ち上った。
木々の切れ間から、赤い炎がちらちらと見える。
(ヤバイ!!
このままじゃ、森全体に炎が広がっちまう。
あいつら、地図、持ってなかったよな。
早いとこシュラムへ抜けないと、皆焼け死んじまうよ。)
カラスは、必死で木々を掻き分けながら、光りの柱の方向へと急ぐ。
バチバチという炎の滾る音が迫る。
(あいつらがあの光りの柱にいるとしたら、一旦谷を下りて川沿いに行けばシュラムの村だ・・・。
何とか、何とか間に合ってくれ!!)
カラスは心の中で祈った。