Ⅹ(クロス)

リディアとユウリが驚いて後ろを振り返ると、そこには一人の老女が立っていた。

体はリディアより小さく、銀色の髪を後ろで一つに結わえている。

やや浅黒い肌に碧色の瞳。

その顔には、いく年もの歳月を経てきた証がしっかりと刻まれていた。


「お前! どこから来たんだ。
気配も無かったぜ。」


「当たり前じゃよ。
シュラムの者は気を隠すでな。」


「で、何で此処に・・・」


老女はそれには答えず、カラスの横に跪く。

「こっちが先じゃろうて。」


「助けていただけるのですか?」


「黙っとれ。」


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