Ⅹ(クロス)

「カラス!!」
「カラスさん、 良かった!!」

リディアは声を震わせる。


「・・・ん ぁ? あぁ! リディアさん! ユウリ!

・・・あれ? この人は?」

カラスの指先は傍らの老女を指す。


「お前の命の恩人だ!! 名前は・・・」


「もしかして・・・ナフサ様・・・でしょうか。」


「おおぉ。 よく分かったの。」

老女は嬉しそうに大きく頷く。


「お会いした事があるような気がしていたのです。
ずっと・・・以前に・・・」


「そうじゃな。 会っておるよ。
そなたがまだ、腹の中におった頃にの。」


「では・・・母の事も・・・」

リディアは複雑な表情でナフサを見る。

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