Ⅹ(クロス)
「もちろん、知っておる。

じゃが、その話は少し長くなるでの。

村へ行ってからでもよかろう。

抜け道を通ればすぐじゃでの。」


老女はそう言って小さな袋をひょいと担ぐと、すいすいと滑るように先を歩き出した。


「お、おい! この病人はどーすんだよ!」


「今日の所は、お前が担げばよかろう。

明日になれば、傷も癒えるじゃろうて。」


「え。 また俺・・・」


「お願い。ユ・ウ・リ!」


「って、お前が言うなよ!このタコやろーが!!」

ユウリは起き上がったカラスの額をベチンと叩く。


「痛っ! 俺病人なんだけどー!!」


「そんだけ元気だったら歩けるだろう。
うん。歩ける歩ける。

ほら、行くぞリディア!」

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