Ⅹ(クロス)
「カラスさん、大丈夫?」
リディアはそのか細い手をカラスに差し出す。
カラスはその手を真っ赤になりながら掴むと
「だ、だいじょぶっす!!」
と言いながら勢い良く立ち上がった。
「あ、い、痛ててっ!!」
途端に苦痛で顔が歪む。
「全く、お前って奴は・・・。 ほら。」
ユウリは呆れたように言って、カラスの腕を自分の肩に回す。
「悪いな・・・。」
カラスは照れくさそうに言いながら、その体を預けた。