Ⅹ(クロス)
「先ほどの襲撃は収まったのでしょうか。
皆、激しい大気の動揺を感じ、祈りの場より出ようとはしませんが・・・。」
ナフサは女の肩に手を当て、その目を見る。
「案ずるでない。 襲撃は収まった。 もう、当分は無いであろう。
けれど、祈りは捧げねばならぬ。 今は大事な時じゃからの。
皆の者にそう伝えるのじゃ。」
「大事な時・・・ナフサ様・・・いったい何が起こっているのでしょう?」
「それは、後で皆に伝える。
このシュラムにも関わることじゃでの。
だがその前に、私はこの客人と話がある。
悪いが、しばらく誰も私の所へは来ぬようにしてもらえるかの?」