Ⅹ(クロス)
「何だかお前、足取り軽くなってねェか?」
「ぁ、そう言えば・・・。
何か・・・ここに入ってから、急に体の痛みが取れてきたみたいでさ・・・。」
カラスは、ユウリの肩から腕を外し、トントンと地面を蹴ってみる。
「あんまり痛くない・・・。」
カラスは驚いたように言う。
(ジプサムに祈りを捧げる村・・・
ジプサムの加護を最も受けている所・・・
ジプサムと共に生き、ジプサムと共に眠る・・・)
「あいつが・・・生を受けた所・・・か。」
ユウリは思い出したように呟いた。