Ⅹ(クロス)
「ジプサムには、もう一つの特質がある。」
「特質・・・ですか?」
「そうじゃ。
長い年月をかけて育てられてきた大地のエネルギーは、簡単には補うことが出来ぬ。
それは分かるな。」
「ええ。」
「自分の中に蓄積してきたエネルギーが急激に失われた時、ジプサムはどうするか・・・。
己を食い始めるのよ。」
「えっ?!」
「そう。 ジプサムはエネルギーの増殖を止め、その代わりに、自らのエネルギーを使ってエネルギーとは逆の産物を排出し始めるのじゃ。」
「ぁっ。」
リディアは思わず口元を押さえた。