Ⅹ(クロス)

その時、一陣の風が吹き抜けて、シュラムの村の沢山の鈴を一斉に鳴らす。


「ほう。
大地も・・・同じ気持ちよの。」

ナフサが空を見上げ、目を細めて言った。


リディアが目を潤ませてナフサを振り返る。

「ナフサ様・・・」


「リディア、民を信じることじゃよ。」


「民を・・・?」


「そうじゃ。 
ラドニアの民は、きっと、お前を守るだろう。」

ナフサは大きく頷きながら、そう言った。

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