Ⅹ(クロス)

「カラスさん、本当に大丈夫なの?」

リディアは運転席のカラスを覗き込む。


「大丈夫だって! 
一晩寝たらこの通り、バッチリOK!!」


カラスのジープはもと来た道をひた走る。

先刻無線でジャコスから聞かされたラドニアの状況。

それは、否が応でも三人の心を駆り立てる。

一刻も早くジャコス達に合流しなければ・・・。

皆それぞれに、焦る気持ちを募らせていた。


「今日は、ノンストップで行くぞ。
運転は途中で俺が変わる。」


「え? だってユウリ運転したことねぇだろー。」


「大丈夫だ。何とかなる。」


「何とかって・・・ユウリ・・・」


「俺を信じろ。」



――カチッ



「また、無線だ。」
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