Ⅹ(クロス)

「そう。 あの人はね、ずっとこの研究をしていたのさ。

ラドニアでね・・・。」


「人工ジプサムの・・・ですか?」


「そう。
あの人はね、ラドニアのジプサムに限りがある事を知っていた。

ナユタの感だね。

それで、密かに人工のジプサムが作れないかと研究を続けていたのさ。」


「でも、それが王室に見つかっちまった。」

カラスは悔しそうに言う。


「王室はそれを知るなり、研究を急がせた。

金はいくらでも出すから、早く完成させろってね。」


「それで、親父は不眠不休で研究を続け・・・最終実験の最中に・・・」

カラスの声が詰まる。


「そう・・・だったの・・・。」

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