Ⅹ(クロス)
「あの、私・・・ごめんなさい。
私の・・・せいで・・・。」
リディアは唇を噛んで頭を深く下げる。
「あぁあぁ、違うんだよ。 リディアさん
頭を上げとくれ。」
カラスの母はリディアの肩に手を置く。
「あたしはね、この子の覚悟が知りたかったのさ。
だってそうだろ。 人様の命を預かるんだ。
生半可な覚悟じゃ、飛行機なんか飛ばせやしないよ。」
「お袋・・・」
カラスの母はカラスに向き直って言った。
「カラス、約束だよ。
ちゃんとこの子達をラドニアまで送り届けて・・・、そしてみんなでロトスへ帰ってくるんだ。
いいね。」
その目は涙で潤んでいる。
「分かった。」
カラスは大きく頷いた。