Ⅹ(クロス)
アーリアは、思わずその口元を押さえる。
「なんで・・・すって・・・?」
「お止めしたのです。 しかし・・・」
「オウガ、今すぐ動力炉へ行きます。
あの人を止めなければ・・・。」
「王妃様、それは出来ません。
あなたをここから出すなと言われております。
国王陛下の命令には背くことは出来ません。」
王妃アーリアは、オウガの目を見据えて言った。
「オウガ。
一人の人として答えなさい。
ラドニアの将来にとって、今、兵器を使うのは正しい選択だと思いますか?」
「それは・・・」
「フェルナンドは、何か大きなものに捕らわれています。
それは、もう随分前から。
あの人はもう、自分ではそれをどうする事も出来ないのです。
やがて彼はそれに潰されてしまう。
だから今、
あの人を止めなくてはならないのです!!」