Ⅹ(クロス)
オウガはぐっと眉を寄せて暫く黙った後、
その目を上げた。
「分かりました。従いましょう。」
「では、東の塔の上にヘリを用意させなさい。
直ちに動力炉へ向かいます。」
「畏まりました。」
オウガは右手を胸に当ててそう言うと、くるりときびすを反し、足早に立ち去ろうとする。
「オウガ!」
その背に向かってアーリアの声が響く。
「感謝します。」
アーリアは凛とした声でそう言って、深く頭を垂れた。