Ⅹ(クロス)
「国王陛下、
ロトスの飛行機がラドニアに侵入しました!」
動力炉の一角に作られた新型兵器の操作室に、オウガの声が響く。
「オウガ・・・何を騒いでいる?」
フェルナンドは低い声を出す。
「ですから、ロトスの飛行機が・・・」
「オウガ。 もうよい。」
「しかし・・・クロスが・・・」
「もうよいのだ。」
そう言うなり、フェルナンドはクックッと笑いを洩らす。
「オウガ、この兵器の威力は絶大だよ。
起動しただけでも、凄まじいエネルギーを発している。
私はこれ程までに大きなエネルギーに触れたのは初めてだ。
これは、正に神の領域だ。
クロスなど・・・
取るに足りない。」