Ⅹ(クロス)
王妃アーリアは、フェルナンドの体を起こし、その腕に抱きかかえる。
「義姉上・・・何故・・・ここに・・・」
「あなたに会いに来たのですよ。
フェルナンド。」
フェルナンドは荒い息を吐きながら、苦しそうに嗤う。
「ああ・・・全く滑稽ですね・・・
何も出来ないまま、全てが終わってしまうとは・・・」
アーリアは、フェルナンドの変わり果てた顔にその手を沿わせる。
「もう・・・充分ですよ。 フェルナンド。
あなたは、このラドニアの為に尽くしてくれたではありませんか。」
「義姉上・・・」
フェルナンドは震える手でアーリアの腕を掴む。
「私を・・・お許しくださるのですか」