Ⅹ(クロス)

「行くなよ。」


リディアは、ユウリの腕をそっと外し、その体をユウリに向ける。

ユウリを見上げる碧色の瞳からは、大粒の涙が零れ落ちる。


「ユウリ・・・

逢えて・・・良かった。」


リディアは震える両手をユウリの首に廻し、その顔を近付ける。

涙に濡れた唇が、ユウリの頬に触れる。


「バカ・・お前・・・」

ユウリはギュッとリディアの体を抱き寄せて、その唇を重ねた。






「ユウリ・・・」

リディアはそっと目を開けて、その潤んだ瞳でユウリを見つめる。



「・・・ありがとう。」

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