Ⅹ(クロス)
「は? 今、何と?」
オウガは首を傾げる。
「3年だけ待ってやる。
3年でこのラドニアを建て直せ!!」
オウガの困ったような顔を見て、王妃アーリアがくすくすと笑う。
「リディア・・・」
ユウリはリディアに向き直る。
「3年経ったら、お前をかっさらいに来るからな。」
「ユウリ・・・」
リディアは、潤んだ瞳でユウリを見上げる。
「続きは、それからだ。」
ユウリはそう言ってリディアの瞳に微笑みかけると、そのままくるりと踵を返した。
「じゃあな。」
「ユウリ!!」
ユウリは後ろを向いたまま立ち止まる。
「私、待っていますから!!」