Ⅹ(クロス)
二人はドック脇の通路を通り、エレベーターホールへと向かう。
ドックの中には金属の匂いと噎せ返るような熱気が充満していた。
「リディア様、大丈夫ですか?」
「ええ。 大丈夫よ。」
あたりは薄暗く、リディアの服だけが青白く浮かび上がって見える。
時折、ゴーっという加熱音のような音が聞こえる。
ケインはエレベーター脇のボックスに金属のカードを入れ、認証を受けると、リディアを振り返る。
「先に研究室へ行って、動力炉の鍵を借りなければなりません。」
「わかったわ。」
エレベーターは5階で音も無く止まる。
エレベーターから研究室のある所までは地下のドックとは異なり、真白いリノリウムの床が続いていた。
音も匂いも感じられないその無機質な空間にはおそらく様々な警報装置が作動しているに違いない。
二人は研究室の入り口でそれぞれ認証を受けた後、その扉を開けた。
ドックの中には金属の匂いと噎せ返るような熱気が充満していた。
「リディア様、大丈夫ですか?」
「ええ。 大丈夫よ。」
あたりは薄暗く、リディアの服だけが青白く浮かび上がって見える。
時折、ゴーっという加熱音のような音が聞こえる。
ケインはエレベーター脇のボックスに金属のカードを入れ、認証を受けると、リディアを振り返る。
「先に研究室へ行って、動力炉の鍵を借りなければなりません。」
「わかったわ。」
エレベーターは5階で音も無く止まる。
エレベーターから研究室のある所までは地下のドックとは異なり、真白いリノリウムの床が続いていた。
音も匂いも感じられないその無機質な空間にはおそらく様々な警報装置が作動しているに違いない。
二人は研究室の入り口でそれぞれ認証を受けた後、その扉を開けた。