Ⅹ(クロス)
「そうよ。

その子は泣きもせずに、透き通る碧色の目で真っ直ぐに私を見ていたわ。

そして、私の差し出した手をしっかりと握ると、私に僅かに微笑んだの。

その時、私は決心したわ。

この子を育てようと。」


「その・・・女の人は、いったい誰だったの?」


「分からないわ。

彼女は、その日、ロトス島から船で渡ってきたそうよ。

『大地の声を聞いた・・・』と言っていたらしいわ。

彼女は心臓が悪く出産もぎりぎりの状態だったと、後でお医者様から伺ったわ。」


「え?お母様、

では私は・・・

私は・・・」

リディアは声を震わせた。



「ええ。 

そう。

あなたはナユタなのです。

リディア。」


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