Ⅹ(クロス)
お母様はおっしゃっていた。
ラドニアは今、きっと病んでいる。
そしてそれを救えるのは、ナユタかもしれない…と。
あの黒ずんだジプサムを見た時に聞こえたもの…
あれは…大地の悲鳴だったの…?
私は…
どうすればいいの…?
リディアはハッとして立ち上がった。
お父様…。
お父様ならきっと何かお知恵を貸してくださるはず…。
青白い顔に少しだけ希望の色を浮かべて、リディアはオーヴの小部屋を後にした。