Ⅹ(クロス)
Ⅲ. 酒場の噂
「お、ユウリじゃねーか!
お前、今晩帰るんじゃなかったのかよ。」
ユウリはリゲルの港にある小さなバルにいた。
ドアに何の看板も灯りもないその店は、常連客しか来ることはない。
そして、ラドニアにありながら唯一、ロトスの人間でも酒を飲める場所でもあった。
「ああ。今日は疲れちまったよ。」
「追われたそうだな。」
潮の匂いのするツナギ姿の男はそう言うと、ユウリの隣にどっかりと腰を下ろす。
「ああ。参ったよ・・・。
なんでこう執拗に俺たちナユタを目の仇にするかな・・・。」
ユウリは、小さな丸テーブルに足を投げ出し、がっくりと頭を垂れている。
「噂だがよ。」
「あぁ?」
お前、今晩帰るんじゃなかったのかよ。」
ユウリはリゲルの港にある小さなバルにいた。
ドアに何の看板も灯りもないその店は、常連客しか来ることはない。
そして、ラドニアにありながら唯一、ロトスの人間でも酒を飲める場所でもあった。
「ああ。今日は疲れちまったよ。」
「追われたそうだな。」
潮の匂いのするツナギ姿の男はそう言うと、ユウリの隣にどっかりと腰を下ろす。
「ああ。参ったよ・・・。
なんでこう執拗に俺たちナユタを目の仇にするかな・・・。」
ユウリは、小さな丸テーブルに足を投げ出し、がっくりと頭を垂れている。
「噂だがよ。」
「あぁ?」