Ⅹ(クロス)
「リディア様!!リディア様!!」



「・・・? ケ・・イ・・ン・・?」

リディアは碧色の目を大きく見開き、ゆっくりとケインの方に顔を向ける。


「お父様は、どうしてしまったの?
お父様は・・・お父様は・・・」


ケインのすぐ後ろには、フェルナンドに体を支えられた母、アーリアの姿も映る。


「国王陛下は、王宮に忍び込んだ賊に刺されたようです。

その者は先ほど射殺されました。」


「射・・・殺?」


「ナユタが兄上を殺したのだよ。

リディア。」


フェルナンドは冷酷な眼差しでリディアを見下ろし、そう告げた。







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