Ⅹ(クロス)
「これは…」


「お母様、お父様はもしかして叔父様に…」


アーリアは慌ててリディアをかき抱く。


「リディア、 不用意にそんな事を言っては駄目です。」


「でも…お母様!」

リディアは声を荒げる。


「まさか、まさかこんな事になるなんて思ってもいなかったわ。

もう随分前から国王は案じていらっしゃった…。

フェルナンドの変わり様は普通ではないと。

一度話し合う必要がある・・・とも。」


アーリアは声を詰まらせた。


「叔父様は一体何をお考えなの?」


「それは、私にもわからないわ…。

でも、これだけは確かです。」


アーリアは震える手でリディアの頬を両手で包み込むと、その碧の瞳を真っ直ぐに見詰めて言った。


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