Ⅹ(クロス)のレビュー一覧
これは一人の少女が自らの使命を悟り、そして運命と闘う物語。 果たして運命をぶち破ることは出来るのか。 その方法とは…? この物語を読み終わった時、きっとあなたの胸の中に忘れかけていた「何か」が戻って来ると思います。 それは大人になるにつれていつの間にか目を背けてしまった大切なもの。 どんな絶望も全て希望に変えてしまうもの。 さあ、この物語を読んで思い出してみてください。
「クロス」 作中、この言葉が現れるたびに、肌が粟立ちました。 様々な立場の彼らが、様々な思惑で口にする「クロス」。 それは、さながらシェイクスピア芝居にて、役者が口にする台詞にも似て響く。 その言葉がすべての鍵。其処に始まり、其処に集まる。 瞬時にして、照明が切り替わるような、感覚。 「クロス」とは。 大地。人。光。 ……闇。 この世界に生きる私たちの、読むべき歴史がここに在ります。
壮大なファンタジー。 女性ならではの感性溢れる大作。 じっくりゆっくりと読んで欲しい。 内容はあなたの目で確かめて! そうあなたの『碧色』の瞳で。
先ずはじっくり読んでみてください。 どんどんと『クロス』の世界を知りはじめて、そして、その深みにまんまとハマっていくでしょう。 シーンは一つも見逃せない。 最後まで完読したのなら、必ずあなたは心の底から満足した気持ちになれるはず。 ファンタジー好き!
作者KIYOLAさんの作品に初めてであったのが、「赤の国と青の国」でした。 正直、男性の作家さん?←失礼です。 って思ったぐらい ええ、それはそれは、私からみたら、かなり文章が力強い強い。 キャラもしっかりしているし、構成力だって、抜群なんです。 それが前作にでもいえることですが、だんだん読みすすめていくと、女らしい、優しい文章に変わっていく。 男っぽい→女らしい→可愛らしい なーんていう楽しみかたもできます。 内容は?? 国は王室がつくるものではない。民がつくるもの。 この文章がすべてを物語っていると思います。 さぁ、あなた自身の目で耳で、心で感じてください。
覚悟して読んでほしい。 なんて書かなくても、ページを捲りはじめたら最後、アナタはこの作品に魅了される。 イキイキとした、愛すべきキャラクター達に。 女性らしく繊細な、綺麗なステンドガラスを通したような描写と世界観に。 そして、作者KIYOLAさんからの、強く温かい、メッセージに。 大切な国を守る為に?それとも、大切な民を守る為に? 何が正義で、何が悪なのか、解りやすいように思えて、それは表裏一体で、完全なる悪というのは存在しないのかもしれない。 性善説など信じない私が、そう感じてしまった。 『「国は、王室が創るものではありません。 国は、民が創るのですよ・・・。」』 こんなことが言える政治家が日本にいたら、未来は、変わるだろうか。 作品レベルは100% 保証します。
作者が構築した異世界の壮大さを、織り込められた願いを、脳裏に描きながらページを繰る。 それがこの叙事詩の読み解き方だ。 一つの、滅び行く大きな国。 そこに遣わされる聖なる力を守ろうとするもの、奪おうとするもの。 様々な形の愛が物語を彩る。 瀕死の国家を生かすため、さらに破壊への道を突き進むのか。 それとも。 ファンタジーの柔らかな衣をまといながら、現代社会における危機に疑問を投げかける。 物語の底に強いメッセージを秘めたこの作品を、ゆっくりと味わってみてはいかがだろう。
環境の変化。 それは、徐々にしかし確実に起こっている。 人々が気づいたときには、それは取り返しのつかないほどのところまで来てしまっていた。 そのとき、人々はどうするのか? 誰が悪いわけでもなく、しかし誰もが同じ罪を背負っている。 だからこそ、一つにならなくてはならない。 祈り。 心からの祈り。 それは奇跡を産む。 どんな絶望的な状況にあったとしても、希望は残されている。 それを人々が忘れなければ、生まれ変わることができる。 これはお話の中の出来事。 だけど、それはダイレクトに今の私たちにも返ってくるそんな重みを持っています。 この壮大なるラドニアの叙事詩に込められたメッセージを読み解いてください。 読後にはきっとあなたの心の中に何か熱いものが残るでしょう。