ハッピーエンド・スーパーノヴァ
ボスがマンションの見える窓際の席を指定すると、店員は暖簾でしきられた個室に俺たちを案内した。

「ユウちゃんもビールでいいだろう?生チュー二つ。それから・・・」

「ケンちゃん、私はベロチューでもいいのよ」

「コーラひとつ。あと枝豆とシシャモとコーンバター。とりあえず以上で」

ボスはヨドミちゃんの暴走発言に取り合わず、さっさと最初の注文を済ませ、窓に身を寄せながら向こうに見えるマンションに視線を移した。

アンテナ少女が姿を見せた窓は、今はピンクのカーテンが引かれ、なかを伺うことはできない。

「ボス。こんな感じの、飲みながら張り込みって、普通にあるんですか?」

「うん?ないよ。今日はなんとなく飲みたかっただけ」

どこまで自由自在なんだろう、この人は。

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