ハッピーエンド・スーパーノヴァ
「いや、いないけど。ヨドミちゃんは・・・」

「じゃあ私の友達紹介してあげよっか?」

「いや、いい」

ここは全否定だ。俺の知る限り、「女の子が紹介してくる彼女候補の友達」は必ず何かしらの不都合を抱えている。

「ふーん・・・やっぱりアンテナちゃんに一目惚れしたんだ。気持ち伝わるといーね」

手から伝わる、俺のそれよりも若干低いヨドミちゃんの体温に、悔しくもドキドキしつつ、

「だからそうではなく。ヨドミちゃんはボスのことが好きなんでしょ?」

と、ごくあたりまえの意見を告げた。

「・・・そっか。バレちゃったか。えへへ、隠してたつもりなのになー」

少女はちょっと照れながら花のように笑った。

ヨドミちゃん、君は100%、探偵業には向いていない。
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