ハッピーエンド・スーパーノヴァ
めまぐるしい展開に俺の思考は確実に追いついていなかった。

そして俺の走りも白い少女に追いつきそうになかった。

体力があるほうではないが、ないほうでもない、はずだ。

そこいらの十代の女の子より足が遅いわけはない。

だが、白い少女は俺の想像を超える速さで走っている。そしてアンテナがピコピコ揺れている。

少女と俺の距離は確実に広がっていた。それは後ろのヨドミちゃんも同じだろう。

しかしなぜか、ラフな格好の俺よりも、ダークスーツと革靴で条件が悪いはずのボスの方が早く走り、白い少女との距離を狭めつつあった。


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