ハッピーエンド・スーパーノヴァ
「あれ?裕一?なにしてんの?」

駅に向かっていた通行人が俺の少し手前でふいに立ち止まった。

こんな状況で知り合いに会いたくはないのだが、運命は残酷だ。

俺は変装用メガネを外して、

「おうハカセか、気付かなかった。見りゃわかるだろ、バイトだよ。交通量調査のバイト」

と中村博に言葉を返した。

通称・ハカセ。名前の漢字が「博」というだけでハカセなのだが。

いわゆる、地元の友人だ。

「そうか、お前も大変だな」

「まあ仕事があるだけいいさ。ハカセはどうなんだよ」

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