学園皇子はメガネ少女に夢中


アタシは学校の自分の席に座って思う


美沢さんに感謝微塵(ミジン)もしなかったなぁ


しかも


朝一番に繭ちゃんから


「薫風。アンタ皇子が可哀想だよ」


って笑いながら言われるし



極めつけは


「先生、ビンタと往復どっちが良いですか?」


「一言良いか?俺はそのビンタでこの世を去るような気がするんだが」


「じゃあ軽めの往復」


「いや待て水瀬!?」


「冗談ですよ」



「レンズの奥の瞳が死んでいる…まぁ良い。頼むよ水瀬」



「お…秋山君に聞いてみないと」


「解った。まぁよろしく頼むよ」


絶体絶命


まさにこの言葉がぴったりだ


「美男美女コンテストか…」

皇子は静かにそう呟く

ちなみにこのコンテスト通称BBKは学校のカップルが競う文化祭の行事

ちなみにカップルでなくとも男女でペアを組めば参加する事が出来る


優勝した者はその日から一ヶ月
学園の皇子と姫として優遇されるのだ


それをだ


絶対無縁だと信じて疑わなかった私にこの変態皇子としろと!?


「薫風は?」


「アタシにアフリカで野生のライオンしかも空腹状態のやつの目の前に出ろと?」


「薫風って毎回思うけど例えがわかりにくいよね…俺は構わないよ良い機会だしね」


そういえば


「皇子怒ってないんですか?」


「ん?」


…皇子はアタシに黒いオーラーを出しながら満面の笑みを見せた


昨日良く解らないが不機嫌になって帰った皇子を気遣った発言だったはずなんだが…



「薫風。このコンテスト優勝しようね」



アタシに拒否権とかいう物を下さい



「まさか断る気?」



「…ま、………さ………か」


顔面蒼白



アタシに満面の笑みを向けた皇子はとにかくドス黒かった


生きてる自分にご褒美あげたいよ


うん




こうして職権乱用で廃止にしてやろうかと思うコンテストに出る事が決まったのだった







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