学園皇子はメガネ少女に夢中
「惚れた?」
「は?」
「さっきからずっと見つめてくれるから」
「あぁ。気のせいですよ」
「…薫風はさ、好きな人いないの?例えばそのネックレス大事な人からの贈り物じゃないの?」
「ん…あぁこれ、ですか」
私は胸元に下がっている
綺麗な花柄のペンダントを見る中には英語が彫られている
「好きな人じゃなくて友達?ただ顔も知らない子ですね」
何か重い病気に悩む女の子だった気がする。
「性別は?」
ただその子は
「さぁ…覚えてません」
私の中にある美しいお姫様みたいな子だった
「なにそれ」
皇子にも誰にも汚されたくない
私の美しい思い出
気が付けば演劇部の部室の前で私たちは2、3回ノックして中に入る
「書類を持って来ました」
「副会長!!」
三神さんが私の側に来る
皇子はあっという間に他の女の子に囲まれて居る
相変わらずだ…
それを見てると何故か
本当に本当に少しだけ
胸がチクリと痛む
「そういえば、準備は順調ですか?」
私が三神さんに尋ねると彼女は満面の笑みで「もちろん」と答えた後私を準備室へ案内してくれた。
「これは…」
私は入った瞬間言葉を失った。